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プログラム
午後の部(9時半~11時半)
午後の部(13時半~15時半) 内容共通 全席自由3500円 当日券有り
近隣に数カ所お客様用の【無料駐車場】をご用意しています。スタッフの誘導に従ってお停めください。
(氷上高校桃陵会館建設用地 黒井小学校駐車場 興禅寺駐車場 しろやま交流館駐車場)
・迫力の「春日戦国太鼓」
・地域の伝承を今に伝える「黒井おどり」
・新作能解説 上田敦史
・スペクタクル新作能「貂ノ皮」×甲冑隊in丹波
●お茶会 11時30分~13時30分
●パネル展 8時30分~16時
主催|丹波能楽振興会
協力|黒井城跡地域活性化委員会
制作|(株)伝楽舎
後援|兵庫県 兵庫県文化協会 丹波市 丹波市教育委員会 丹波市観光協会
出演者
新作能 「貂ノ皮」
作 上田敦史
協 力 天野文雄(京都芸術大学舞台芸術センター特別教授)
<能楽師の出演者>
脇坂甚内 林 宗一郎
赤井直正 味方 團
直正近習 今村 哲朗 樹下 千慧
老 貂 松野 浩行
才 丸 林 彩八子
黒井城兵 山口 耕道 山本 善之
後 見 吉井 基晴 梅田 嘉宏
笛 赤井 要佑
小 鼓 上田 敦史
大 鼓 石井 景之
地 謡 田茂井廣道 宮本 茂樹 河村 和貴 河村 浩太郎
<合戦シーン参加団体>
・黒井城甲冑隊
・丹波國戦国サポーター「福知山城明智衆」
・亀岡手づくり甲冑の会
主 催|丹波能楽振興会
共 催|黒井城跡地域活性化委員会
制 作|(株)伝楽舎
後 援|兵庫県 兵庫県文化協会 丹波市 丹波市教育委員会 丹波市観光協会
みどころ
かの司馬遼太郎氏の小説の題材にもなった史実、
丹波戦国奇譚「貂の皮」が壮大な新作能に!
貂の皮とは・・・丹波の戦国武将「赤井(荻野)直正」が家宝としていた太刀の袋(指物)。100年生きた貂(てん)の毛皮とされる。持ち主の武運を護る霊力を宿す秘宝と言われ、さる子細により、龍野の脇坂家へと受け継がれた。
丹波黒井城城主でかの明智光秀の丹波攻に敢然と立ち向かった丹波の英傑「赤井(荻野)直正」ゆかりの兵主神社で、
子供から大人まで丹波の魅力(歴史文化)を体感しながら、楽しめるスペクタクル新作能イベントです。
黒井城を臨む歴史ある街並みの散策も是非お楽しみください。春日戦国太鼓のパフォーマンス、地域の伝承を今に伝える「黒井おどり」の実演も。
時は天正6年、織田信長の命で丹波を攻める明智光秀は、天下に名高き武士とうたわれた赤井悪右衛門直正が守る黒井城攻めに難攻していた。その直正も今や不治の病に侵され、余命幾ばくも無いとのうわさである。その情報を得た羽柴筑前守は後顧の憂いを断ち、無用な被害を出さぬために、家臣脇坂甚内(安治)に「一族助命嘆願と引き換えに急ぎ開城を勧めよ」と命じて、単身黒井城へと派遣する。しかし直正は甚内の提案を一蹴し、清和源氏の流れを汲む武士としての矜持を語る。甚内はその覚悟の程を目の当たりにして感服し、自身も赤井家存続に尽力する事を約束する。直正は感謝し、また単身敵城に乗り込んできた甚内の勇気を讃え、家宝の「貂の皮の指物(刀の袋)」を与えると言い、その云われを語って聞かせた後、武士らしく自身の槍先にて我が首とこの貂の皮を取って見せよと、翌朝濠際にて相まみえる約束を交わし、甚内を無事に返すのであった。翌朝、手勢を引き連れ再び黒井城にやって来た甚内勢と、城門を開けて打って出る赤井勢の乱戦となる。約束の通り甚内は直正に一騎打ちを挑むが・・・。
件の「貂の皮」は脇坂家所蔵の守り神として代々受け継がれ、現在も兵庫県たつの市龍野神社に大切に保管されている。
※映像は前回開催のスペクタクル新作能第一弾「光秀」×甲冑隊in福知山城のPVです
新作能「貂ノ皮」詞章 ※新作のため多少変更する事があります
前 場
甚(じん) 内(ない)「これは筑前(ちくぜん)守(かみ)に仕え申す。脇坂甚内にて候(そうろう)。さても日向(ひゅうが)守(のかみ)明智光(あけちみつ)秀(ひで)殿は。丹波平定の御為に。赤井(あかい)直(なお)正(まさ)殿の黒井城を。数を尽くして攻めけるが。未(いま)だ難攻なされて候。さても名高き悪(あく)右(え)衛門(もん)。丹波の赤鬼と申せども。不治の病に侵されて。今は期を待つばかりなり。この上は助命(じょめい)嘆願(たんがん)の約(やく)堅(かた)く申し。降伏(こうふく)開城(かいじょう)の由(よし)申さばやと思い候。急ぎ候間。これははや黒井城に着きて候。いかにこの城の内へ案内申し候。
筑前守の使い脇坂甚内が。直正殿に御目通りを申し候
【脇坂甚内、単身黒井城へ】
ト モ「何と筑前(ちくぜん)の手の者と申すか。いかさま謀(はか)り事の無き事はあるまじ
甚 内「いや左様の謀り事など無く候。主よりの言伝(ことづて)を携(たずさ)え。ただ一騎にて参じたると申し候(そうら)え
ト モ「これにしばらく待ち候え
直(なお) 正(まさ)「武士(もののふ)の。弥(や)猛(たけ)心(ごころ)も明日知れぬ。憂き身は枯れて。名のみぞ残る
ト モ「いかに申し候
直 正「何事にてあるぞ
ト モ「さん候(ぞうろう)、筑前守の使いなる者。ただ一騎にて参りて候
直 正「何と羽柴よりただ一騎の使いと申すか。命を惜しまぬ者よな。面白し面白し。此方(こなた)へと申せ
ト モ「畏(かしこ)まって候。此方へ渡り候え
甚 内「承って候
直 正「さて只今(ただいま)は何のための使いにてあるぞ
甚 内「さん候、主の言伝を携へ。脇坂甚内これまで参りて候。さても我が主は直正殿の病を案じ給い。急ぎ降伏開城仕るならば。御身と御一族郎党助命の約堅く承り候間(そうろうあいだ)。その由申さんためこれまで参りて候
直 正「言語道断(ごんごどうだん)。これは思いもよらぬ事を申し候ものかな。
いかに甚内。我等は清和(せいわ)源氏(げんじ)の後胤(こういん)。弓矢を取って累代(るいだい)四百年
地(じ) 謡(うたい)「直正は。武門(ぶもん)の家に生まれ来て。武門の家に生まれ来て。戦において不覚無し。たとい病に臥したれど。その名を惜しむ弓取(ゆみとり)の。一時(いちじ)の命(めい)に引きかえて。進退潔(きよ)くあらざれば。名折れて残る後の代に。佳名はいかが留むべき。最後に臨んで。数の祖(そ)霊(れい)を汚す事。末代までの恥辱よと。戻って主に伝えよ
甚 内「委細(いさい)承り候。前(さき)に申したるは面目(めんぼく)なき事にて候。
この上は身に代(か)えても。御家の行く末を御助け申そうずるにて候
直 正「一段(いちだん)の事。その礼の印(しるし)として。また汝(なんじ)の勇(ゆう)なるを称(たた)え。この貂の皮にて拵(こしら)へたる家宝の指物(さしもの)。
汝に授け申そう程に。まずはその謂(いわ)れを語って聞かしょうずるにて候。時は我未だ才(さい)丸(まる)と申しし時。
的場(まとば)の稲荷(いなり)に物怪(もののけ)ありと音に聞く
地 謡「その姿。虎狼(ころう)野(や)干(かん)の如くにて。夜ごと飛び廻れば。あな恐ろしや誰一人。詣でる者も無かりけり。
詣でる者も無かりけり
【回想シーン 少年直正の武勇】
才 丸「十三(じゅうさん)ばかりの才丸は。己(おの)が知勇(ちゆう)を試さんと。ある夜一人(いちにん)忍び出で。社(やしろ)の陰に祗候(しこう)して。
今や遅しと待ち居たり
地 謡「次第(しだい)次第(しだい)に夜も更けて。次第次第に夜も更けて。黒雲(こくうん)月(つき)を覆(おお)えば。霊気(れいき)辺(あた)りに漂(ただよ)えり。
その時奥山(おくやま)の木陰(こかげ)より。光を放つ怪しき者の。牙を鳴らして襲いかくるを。才丸ばっとぞ飛び違って。
懐剣(かいけん)鋭く渡り合う。 <闇の中、才丸対物怪(もののけ)の戦い>
才 丸「怪(あや)しき者を恐れずして
地 謡「怪しき者を恐れずして。猿(ましら)の如くに後ろへ廻り。懐剣逆手(さかて)に二三度刺せば。物怪驚き声を上げ。闇の中にぞ失せにける。さて夜も明けて朝霧の。深き稲荷の社に。才丸再び来てみれば。草一(くさひと)叢(むら)の光を放つ。寄りて見たればあな珍しや。闇の中にて討ったるは。百年(ももとせ)経(へ)ぬる老貂(ろうてん)なり。その金色(こんじき)の毛皮を獲りて。死骸(しがい)は此処(ここ)に弔(とむら)い申さば。その悪念(あくねん)も翻(ひるがえ)って。今は主(あるじ)を守(まも)り神(がみ)の。秘蔵の宝となりにける
【一騎打ちの約束を交わす】
かくて時刻も過ぎ行けば。名残は尽きぬ武士の。名こそ留めんいざさらば
直 正「明日の卯(う)の刻(こく)に。明日の卯の刻に。濠(ほり)際(ぎわ)に来たれかし。我と立ち会い貂の皮その槍先(やりさき)にて取るべし
地 謡「その時甚内尋常(じんじょう)に。かの指物と首級(みしるし)を。賭けて戦(いくさ)を仕る。誓(ちか)いもあへぬその先に。罷(まか)り申して一礼し。そのまま城を辞(じ)しにける。黒井の城を辞しにける <中 入 間狂言>
後 場
甚内勢(じんないぜい)「朝霧(あさぎり)に。紛(まぎ)れて寄する白波の。音をも返す。濠(ほり)の際(きわ)
甚 内「いかに兵(つわもの)確かに聞け。武運尽きたる敵(かたき)にて。命を惜しまぬ者共よ。仕損(しそん)ずなかれと激(げき)すれば
地 謡「黒井の城の矢(や)狭間(ざま)より。黒井の城の矢狭間より。鉄砲矢(や)衾(ぶすま)乱れ打たれて。怯(ひる)む味方の軍勢に。
大音(だいおん)上(あ)げて、恐(おそ)るな退(ひ)くな。攻め入れ攻め入れ、甚内下知(げじ)せば。城の内より鬨(とき)の声。敵逃すな者共よ。
直正手勢と打ち出ずる。あら物々(ものもの)しや手練(てなみ)の程。互いに尽くして戦いたり <黒井(くろい)城(じょう)濠(ほり)際(ぎわ)の攻防戦>
直 正「やあ。甚内はいづくに御座候(ござそうろう)ぞ。いざ一(ひと)太刀(たち)と呼ばはれば
甚 内「あっぱれ器量(きりょう)の御方(おんかた)よと。乱れ戦う敵の内に
地 謡「名にし負(お)いたる大槍(おおやり)を。名にし負いたる大槍を。打ち下ろし薙(な)ぎ払う。近衛(このえ)の兵飛びしさって。
間(ま)合(あ)いを取ったるその隙(ひま)に。直正目がけてはっしと突けば。太刀にて流す直正は。
その槍掴(つか)んで組まんとする。音に聞こゆる剛力も。病の床にて衰えけるか。腰車(こしぐるま)にて組み伏せらるれば。逃れ難(がた)しや無念(むねん)なり。疾(と)く仕(つかまつ)れとのたもう所に。御免(ごめん)なれとて甚内は。首(くび)掻(か)き切るかとせし程に。何とか思いけん。剣を収めて申すよう
甚 内「誓(ちか)いは果たしたり
地 謡「御身の矜持(きょうじ)と武勇の程。この甚内が後の世に。伝えて御家再興の。力とならんいざさらば。
その時直正膝打ち笑い。さても若武者見事なり。これよりは汝が物よ。差し出(いだ)したる貂の皮。
忝(かたじけな)くも甚内は。その槍先にかほどの宝。武運の護(まも)り身に添へて。勇み播磨へ帰りけり。
播磨の方へと帰りけり (上田敦史著)
動画
お問い合わせ先
その他のお問い合わせ先:黒井城跡地域活性化委員会(吉住)☎090-1442-8323
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