クラシック音楽業界の変革を
teketが担う。
コロナ禍が後押しした
「オンライン化」と次代の50年
プロアルテムジケ 今西 慎吾

イベント運営サービス「teket」とクラシック音楽事務所「プロアルテムジケ」による協働プロジェクト『プロアルテケト』は、コロナ禍の真っ只中である2020年7月にスタートしました。

プロアルテムジケがプロデュースする公演にteketのサービスを導入し、チケット販売窓口のオンライン化やキャッシュレス化を進めることで、工数削減とコロナ対策を同時に実現。アーティストの芸術がより多くの聴衆の感動へと広がる環境作りの一環として、さらにはクラシック業界のイベントの作り方自体を変える新しい取り組みとして、業界内外で大きな注目を集めているプロジェクトです。

2019年にリリースされた最新のWebサービスと、1985年の創業以来、国内外一級のアーティストたちのプロモーションなどを行ってきた音楽サービスは、withコロナ、そしてアフターコロナの時代に何を共に目指しているのか。『プロアルテケト』の中心となるお二人に、今だからこそ考えなければならない課題、今だからこそできる挑戦について、じっくりとお話を伺いました。

人物紹介

人物紹介

今西 慎吾さん

1985年埼玉県生まれ。国立音楽大学声楽専修卒業、尚美学園大学大学院(アート・マネジメント)修了。2013年クラシック音楽事務所の株式会社プロアルテムジケに入社し、国内外のアーティストによる数多くの公演の企画・制作に携わる。2019年より同社取締役に就任。

変革は50年周期!? コロナで見えてきたクラシック音楽業界が「次」に目指す方向とは

コロナの影響が直撃している中、現在のクラシック音楽業界が抱える課題やビジネス的な状況の変化について教えてください

お金を儲けながらクラシックを続けるのは難しい、というのはコロナ以前からの業界の課題でした。特にオーケストラは、国からの助成金や企業からの支援がないと本当に厳しい。一方で、例えば集客数が普段の何倍も見込めるような映画音楽の生演奏会を開催するなど、少しずつですが新しい売り方にもトライはしていたんです。

それが今回のコロナの影響により、他の業界と同様、あるいはそれ以上の売り上げ的な被害が発生していると思われます。クラシックはなんといっても実演がメインですからね。

一方ポジティブな変化として、これまでクラシック業界では馴染みの薄かったオンライン視聴の機会と、電子チケットの購入という習慣が一気に広がりました。これはとても大きな変革で、teketとしては、この部分でもっと業界に対して貢献できることはないかと考えています。

ただ僕自身は、どうしてもクラシック業界に対してはアマチュア目線というか一ファンとしての感想の要素が強くなってしまうので……(笑)。今日はぜひ、事業目線で課題や変化に取り組まれている今西さんのお話を伺いたいなと。

ふふふ、よろしくお願いします(笑)。さて、今回こういうインタビューのお話をいただいたこともあり、日本のクラシックの歴史について改めて調べてみたのですが、興味深いことがわかったんです。どうやらこの業界では、おおよそ50年に一度のサイクルで大きな変革が起きているようなんですね。

例えば今から約50年前、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が初めて日本を訪れます。その後、数多くの海外の有名オーケストラが来日公演をする先例となったのは言うまでもありませんよね。

さらにその50年前には、日本初の本格的なオーケストラである「中央交響楽団」(現在の東京フィルハーモニー交響楽団の基礎となった楽団)が誕生しています。そして、さらにその50年前はというと、イギリスの軍楽隊によって初めて西洋の楽器が日本に入ってきた時期でした。

おお、確かに。ほぼ50年周期で日本のクラシックには大きな変革が起きていますね

そう。ウィーン・フィルの初来日からは60年ぐらい経っていますが、コロナの影響を考えても、この周期説で考えても、そろそろ業界にとって「次」の大きな変革が起きるべきタイミングなんですよ。そして、今回のそれはやはり「オンライン化」になるのではないか、とみています。

クラシックに限らず音楽業界ではみんな配信を始めましたし、電子チケットの話もteketさん以外からもよく聞くようになりました。今は、とにかく「オンラインでできるもの」「オンラインに特化したもの」が求められている状況です。逆に、それ以外の動きは出てきてないんじゃないかな。

だからこそ、今回の周期は、オンラインによる配信やチケットの在り方が変革した50年として、将来記憶されるようになるのではないかなと。

とても興味深い推測ですね

私たちプロアルテムジケが扱うコンサートは管楽器をメインとしているため、お客様の割合としては学生の方が多い。一方、ピアノやオペラ、そしてオーケストラなどは、既にリタイアされた年齢層のお客様が中心となるため、いざアフターコロナとなった際にもコンサートホールに戻ってきてくれるかどうか、という懸念が強くあります。

要は、「ただでさえ今ホールにはお客様がいないのに、この先もお年寄りの方ほどウイルスを怖がって戻ってこないのではないか」と。それを危惧している会館さんや主催者さんが、実際に結構いらっしゃるわけですね。だからこそ、家でコンサートを楽しんでもらうような配信の仕組み作りや提案を、私たちが率先して進めないといけないと考えているのです。

「海外から輸入している文化」だからこそ、クラシックは海外の音楽家の演奏で

インタビュー画像 その1

海外では、そのあたりの整備はやはり日本よりも進んでいるという状況でしょうか

今はどの公演も電子チケット化されていますね。映画などもほぼ同様です。もちろん紙のチケットの販売もありますが、半分以上がオンライン。カナダとかは100%に近いらしいですよ。

そういう状況を目の当たりにすると、やはり日本だけが取り残されてしまっているという印象が強いですね。身近にPASMOやSuicaがあり、新幹線だってQRコード化してるのに、コンサートだけが紙のまま。原因はもしかしたら、クレジットカード利用の遅れかもしれません。電子マネーに抵抗がなくてもクレジットカードは怖いという人は、いまだに多いでしょうしね。

現在のクラシックの音楽的な流行という部分で、海外と日本の違いを教えてください

いま海外でお客さんを集めているのは、実はクラシックとポップスの中間みたいな音楽なんですよ。例えば電子音楽をあえて取り入れてるような……そうですね、日本で言えばYMOみたいな(笑)。そういうものが好まれているんですよね。

一方で日本は、やっぱりネームバリュー。その音楽家がテレビに出ている・出ていないで売れ行きが左右されることは多いですね。そういう意味では、海外のほうが柔軟に音楽を楽しもうという気持ち、新しいものに挑戦していこうとする傾向が強いのかもしれません。

日本人のクラシックファンが西洋の音楽家を好むのは、やはりミーハー的な意識が強いからでしょうか

いや、やはりクラシックは「海外から輸入している文化」ですからね。海外の音楽家の演奏を好むのは当然のことです。

そもそも日本の音楽家と海外の音楽家とでは、体つきから違うんですよ。だから、日本人では簡単にできないことが普通にできてしまうわけです。歌はもちろん、例えばトランペットのような息を吹き込んで演奏する楽器の場合なら、より体が大きくて肺がしっかりしている外国人の方が、当然長いメロディを吹くことができるわけです。

そして体格面以上に大きいのが、生まれながらの環境面の差でしょうね。

ヨーロッパでは中世の頃から建っている教会で無料のコンサートが開かれ、子どもたちが自然に集まり、買い物帰りの老人などもふらっと立ち寄って聴いていくという環境が、当たり前のように存在しています。彼らが暮らす街並み、そして住んでいるアパートメントだって、やはり何百年も前からの建築物で、階段ひとつとっても美術品のような趣きです。

私たちから見ればまるで美術館のような光景ですが、彼らにとってはそれが日常なんです。これこそまさに日本人が持ち得ない感覚であり、だからこそ海外の音楽家の演奏を聴いてみたいと思う。それは、ごく自然な欲求だと思います。バッハが生まれた土地の人がバッハの曲を演奏した方が、より伝わる演奏になるはずですしね。

そして、それこそプロアルテムジケが、海外の音楽家を多く招いている理由でもあります。

一通のメールから始まった「プロアルテケト」の誕生。そのスピードと可能性

インタビュー画像 その2

では、そろそろ今回の本題です。プロアルテケトとはどういうものか、どういうきっかけで、何を期待して両社協働という形でサービスを開始したのかについて教えてください

teketはそもそも電子チケットのサービスであり、座席表を全てオンライン管理できるところなどに強みを持っていました。

プロアルテムジケさんとの協働は、やはり「想い」の部分への共感からですね。特に、「これからのクラシック業界では、電子チケットはじめいろいろなものの売り方に対して変化が起きる」という今西さんのお考えに対してです。その結果、teketサービスの導入だけにとどまらない多様なサービスの提供が実現することになりました。

きっかけは、今年の4月中旬に「こういうサービスがあります」という提案メールをteketさんからいただいたことでした。ちょうどプロアルテムジケのスタッフ全員がテレワークに切り替わったタイミングだったんですが、そのメールを読んだ弊社代表の原から「こういうシステムがある。これはぜひ使うべきだ」という連絡があって。

私は保守的な性格のため、当初こそ「電子チケットはどうなんだろう?」と疑っていました。でも、teketさんの案内を読んでみたら、これはいいぞと。すぐに連絡をさせていただきまして。

そこから「じゃあ本格的に取り組みを開始しましょう」となったのが、7月の初めぐらい。それがもう8月にはサービスをローンチしているわけで、本当にすごいスピードで動いていただいてますよ。

原代表の一声から始まったプロアルテケトですが、もともとそういうことをやろうという話は社内で出ていたのでしょうか

コロナ以前に特にそういう話はありませんでした。ただ、弊社は従来の事業の8割以上が、海外のアーティストを招聘してコンサートをやる等の「実演」によって収益を得る形態だったんですね。だから、配信であったり収録で撮りためていた映像を流したりといった新たな事業を、teketさんと早い段階からスタートできたのは本当に大きかったです。

実演の配信以外では、今どのような取り組みが注目されているのでしょうか

アーティストが個人でYouTubeライブをやるとか、演奏するだけではなくゲストを呼んでトークをするとか、世間では新しい取り組みがいくつも生まれています。

その中で、私たちがプロアルテケトを使って一番最初にリリースしたのは、実は演奏の配信ではなく「海外の有名音楽家のレッスン」だったんですよ。学生は日本人、講師は海外の有名音楽家に入ってもらい、通訳をたててレッスンをしてもらうという取り組みでしした。

オンラインレッスンはすごくいい取り組みだと思います。それまでだったら絶対受けられないような海外のトップ級から、直接指導を受ける機会に恵まれるわけですからね。

地方に住んでいるため東京まで出るのが難しい、という方たちに向けてのオンラインレッスンも大変喜ばれており、コロナの経過に関係なくこの流れは今後も続いてほしい、と個人的に思っています。

サービス開始からまだそれほど時間は経っていませんが、開始前と開始後で、何か想定と違ったというような出来事はありましたか

初期の検討段階ではシンプルに電子チケットのシステム(teket)を導入するだけという想定だったのですが、途中で動画配信のお話のご提案をいただきまして、そこから全体が一気に活性化していきましたね。

プロアルテケトでしかやっていない、という特別な機能があるわけではありませんが、一つのページにサービスがまとまっていることは強みになっていると思います。クラシックのチケットの売り方を変えていくフェーズとして、とても大きなことですね。

コロナ禍だからこそ発揮されたteketのサービスとしての真価

インタビュー画像 その3

teketについては、最近お問い合わせ数などは増えてるんですか?

数もそうなのですが、以前と違って、メールなどでサービスのご案内を送った時に、ポジティブな返答をいただけることが増えました。これは非常に大きいですね。

teketは導入のための初期費用が不要で、チケットが売れた分の手数料しか請求されないサービスじゃないですか。でもこの業界では「電子チケット化=専用システム導入」という先入観がなかなか捨てられません。導入費用が何百万円も必要になるとか、すでに導入されているチケットのシステムのイメージが強すぎるせいです。だから案内時、まずはここの説明から必要になってしまうことが、案内を無視されやすい要因でもあったと思います。

ただ、この重い初期費用のイメージは、実際の仕組みさえ理解してもらえればteketにとっての強み、競争優位な部分になるんですね。

そして強みといえば、teketには一つ特筆すべき機能が実装されているんですよ!

おぉ、それは気になりますね(笑)詳しく教えてください

コロナ禍のイベントや展示会開催において、入場者の個人情報(氏名・緊急連絡先など)を記載した名簿の作成と保管が義務付けらていれるじゃないですか。あれは入場者にとっても主催者にとっても非常に手間がかかる作業ですよね。

だから島村さんは、それを解消するための仕組みを、いち早くteketのシステムに取り入れたんですよ。

teketではチケットを購入した際、国のガイドラインに基づいて氏名・緊急連絡先を入力いただいています。そのデータはシステム側で保管しており、有事の際は主催者にお渡しできるという仕組みになっています。

これらを実際の会場でやろうとすると、入場までのオペレーションがすごく煩雑になり、現場は回らなくなってしまう恐れがある。座席数の制限が撤廃される10月以降はさらに大変なことになるでしょうね。だからこの仕組みについては、皆さんにとても非常に興味を持っていただいてるんですよ。

すごい。withコロナの状況においては、まさに特筆すべき機能を備えているんですね

おかげで電子チケットに対する理解は、以前と比較して明らかに進みましたね。これまではかなり先進的な団体でないと関心を持っていただけなかったのですが、今は皆さんきちんと話を聞いてくださいます。

非接触・感染拡大防止という文脈での関心がほとんどではあるのですが、ずっと「使いづらい」とおっしゃっていた高齢者の方たちこそ、今まさに電子化を必要としている状況です。これまでのteketの活動の中で、一番受け入れられやすい土壌ができている気がしますね。

全てのコンサートで電子チケットを使ってもらう、というのはteketの最終目的の1つじゃないですか。現在のオンライン配信視聴やレッスン受講などを通して、少しずつその練習というか、オンラインでサービスの提供を買う、という習慣がより身近なものになっているという手応えはありますよ。

特にお年寄りです。スマホを持ってもらうだけでも大変だったのに、その先の「どうやって使ってもらえばいいのか」については、あらゆるサービスにとって大きな課題でしたからね。今この段階でこういう過程を踏めているというのは、実に大きなことです。

アフターコロナとwithコロナ クラシック業界で予測される変化とは

インタビュー画像 その4

この先のアフターコロナ、つまりオフラインでの実演のコンサートが日常に戻ってきた時、「こういうことをやってみたい」というような取り組みやアイデアはありますか

恐らくですが、イベントが全面的に解禁となっても、オンラインでの配信の流れは終わらないと思うんですよね。私たちプロアルテムジケとしても、この半年で取り組んできたことの最終的な結果は、2,3年は継続してやってみないとわからないだろうと考えています。

だから少し先の展望として、例えばまた海外からオーケストラを招聘してコンサートを主催するようになった際、もう少し画質や音質のクオリティを上げることができていれば、ホールへの入場料と同等の金額でオンライン配信動画の販売ができるのではないだろうかと。

それが実現できれば、遠方に住んでいるファンの方が、わざわざ飛行機に乗って会場まで来なくても、同じようにコンサートを聴くことができるようになる。それによって来場者数も無制限となり、収益も上がる。そういう未来がくるのではないかと期待しています。

なるほど。コンサートの入場料と動画配信の視聴料が同じ金額と聞くと、高いと感じる人も多いかもしれません。ただ移動費や宿泊費、さらに移動や準備に必要な時間等を考えると、クオリティ次第ではかなり割安に楽しむことが可能になると言えますね

そうなんですよ。この10年の変化は電子チケットの浸透を含めたオンライン化であることは間違いないとして、その少し先の未来、コンサートの次の形はなんだろうと考えると、今でいう「ヴォーチャル・リアリティ(VR)」になるのではないかと。あたかもコンサート会場にいるような感覚で配信の視聴を楽しむことが、家庭用VRがもっと進化すれば可能になるかもしれない。

もちろんすぐには実現しないことではありますが、もしかしたらこれこそが、次の50年周期での変革になるのかもしれないとも思うのです。

逆に、直近の半年単位ではどういう変化が起こりそうだと考えますか

動画の配信であったり販売であったり、これまでほとんど取り組まれてこなかったオンラインコンテンツに関する諸々が、さらに加速する半年になるのではないかと。

間違いないですね。私自身、コロナ以前は「音楽事務所が配信をやる必要はない」と思っていました。専門の配信業者に依頼して撮影と配信をしてもらうことはありましたが、事務所主体でやるという考え自体がなかったのです。

でも、アーティストにある意味一番近いところにいるのは、我々音楽事務所です。だからこそ、このコロナによる危機的状況下において、収録と配信にそこまでコストをかけずにやる方法というのを、いろいろツールなど模索しつつ手探りでやっています。

その流れが音楽事務所側で加速した理由というのは、例えばteketみたいなツールが増えてきたからなのか、お客さんの方も電子コンテンツを買うモードになってるかなのか、何か要因はありますかね

うーん。コンサートも開催できないし、これをやらないともう他に何もない、という切羽詰ってる状況にあったのが、実際のところ一番の理由なんですけどね(苦笑)。それでも、やっぱり何かを継続してやっていくことで、初めて光は見えてくるんじゃないかと思っていて。

例えば武蔵野市民文化会館さんとの共催事業として、コンサートホールで収録して編集・販売・配信するという新しい取り組みも試みています。teketのシステムがあって、それに配信プラットフォームがくっついているという。単純そうで、システムをお作りになるのは大変だったと思いますが、完成した料理に対し、少し何か別のエッセンスを加えてアレンジして、さらに美味しくする。それが今の重要なツールになっています。

アーティストの方は、現在の新しい取り組みなどには積極的なのですか

やはり若い方が中心にはなりますが、積極的な方も多いですよ。例えばこの前は、デンマークにいる日本人トロンボーン奏者と、ニューヨークフィルの首席トロンボーン奏者の座談会+コンサート動画を配信する企画をやってみました。トロンボーンをやってる人から見ればトップスターの人たちの話や未公開の演奏が聴けるというのは魅力的で、この業界では新しい取り組みですね。

私の知り合いでそういうことに一番積極的に取り組んでいるアーティストの方は、「従来のアーティストに求められていたものではない、新しい形が求められている気がする」とおっしゃっていました。

クラシックに限らず、ファンの方とアーティストの方の距離の詰め方というのは、今後間違いなく変わっていくでしょうね。

teketで、そしてプロアルテムジケで創りたい次の50年

インタビュー画像 その5

では最後に、お二人がこの先やりたいことについて教えていただけないでしょうか

もともと僕自身は「クラシックが大好き」という気持ちが全てのベースにあるので、このコロナの影響でいい方向の変化も起きている中、その部分をうまくプロアルテケトで加速させていきたいですね。

また、アーティストとファンの関わり方やコミュニティというものの在り方に変化が生じている点は、teketとしても注目しています。特にクラシックというのはすごくファンの方の熱量が高いというか、マニアみたいな人が多い分野だったりもすることから、そこの可能性をすごく感じているんです。

現在は、イベントに対してコメントしたりいいねを押したりといったいわゆるソーシャルメディアの仕組みをteketに取り入れることによって、アーティストの方とファンの方のコミュニティみたいなものを活性化させていきたいと考えています。

アクティブに活動している文化施設の数は現在500〜600ぐらいだと思うのですが、それらを全てプロアルテケトで電子チケット化し、1 つのプレイガイドとしてやっていきたい、という気持ちがあります。そして、それはこの10年で確実に進んでいく動きでしょう。

配信に関しては、音質や画質の鮮明さがこの先もっともっと求められてくるでしょう。その課題がクリアになった時、あるいは 先ほども述べたようにVRが非常に進歩した時、「これなら実演のコンサートと遜色ないじゃん」とみんなが思うようになるかどうかは、正直わかりません。ただ、電子的な技術が飛躍を遂げても、一方で「人間的なこと」が一層求められる未来になるのは間違いないでしょうね。

そして確かなこととして、やっぱり日本人からするとクラシック音楽というのは結局50年経とうが100年経とうが「敷居が高い」と言われるジャンルのままです。ただ、それでも世の中から消えない。ポップスのアイドルたちのようにいなくなることのない、ずっと誰かしらに必要とされ続けている音楽でもあるわけです。

そういう数百年前の音楽を、もっと身近に感じられるようなものに。そういうことを可能にしていくツールの1つがteketやプロアルテケトのシステムであり、私はこれを日本全国に広げてきたいと考えています。だからこそ、この先も島村さんにはたくさん無理をお願いしながら一生懸命すすめていきたいと思っています!(笑)

え、ええ……!? が、頑張ります!!(笑)

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