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プログラム
《中谷哲太朗》
2009年生まれ。3歳より山澤敦子氏に師事しヴァイオリンを始める。
第77回全日本学生音楽コンクール中学生部門全国大会第1位、東京大会第1位、併せて東儀賞・兎束賞を受賞。第76回同コンクール全国大会第3位、東京大会第1位、名器特別賞を受賞し、サントリー芸術財団よりGENNARO GAGLIANO(1774年製)の貸与を受ける。
2016年ハマのジャックソリストオーディションX部門合格、2023年同オーディションZ部門に合格し、ハマのジャックオーケストラと共演。
神奈川フィルハーモニー管弦楽団、白金フィルハーモニー管弦楽団、藝大フィルハーモニア管弦楽団とソリストとして共演。2025年仙台国際音楽コンクールにおいてMihaela Martin氏のマスタークラスを受講。地域や病院、大使館、中高生向けなど幅広く演奏活動を行う。
これまでに篠崎史紀、岩崎裕子、小林壱成の各氏に師事。2022~2023年東京藝大ジュニアアカデミーにおいて大谷康子氏に師事。現在、石原悠企、成田達輝、徳永二男の各氏に師事。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校2年在学中。同校にて玉井菜採氏に師事。
◆曲目
○J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004よりアラマンド、コレンテ
ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)は、ドイツのアイゼナハに大音楽一家の一員として生まれた。35歳のときに無伴奏ヴァイオリンのための作品として3つのソナタ・3つのパルティータが完成したが、これは最初の妻マリアとの死別の時期と重なっている。パルティータ第2番はシャコンヌを終曲とする5つの曲からなる舞曲である。アラマンドは深い悲しみの中にも明るい光が差し込むような瞬間も感じさせる。コレンテは駆け回るような軽快なテンポの中に人間の気持ちの移り変わりを思わせる。悲しみの中で希望を見出そうとしたであろう、当時のバッハの魂を伝えられるような演奏を目指したい。
○パガニーニ 24のカプリス Op.1よりNo.23
ニコロ・パガニーニ(1782-1840)はイタリアのヴァイオリニスト・作曲家であり、「悪魔に魂を売り渡した」とされるほどの天才的テクニックの持ち主であった。ピアニストのリストに影響を与え、超絶技巧に満ちた作曲をするなど、近代以降の音楽界に多大な影響を与えた。23番はオクターブをいかに美しく歌えるかを課題として取り組んだ。技巧だけでなくパガニーニの歌心を届けられるように演奏したい。
○モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219より第1楽章
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)は、ザルツブルグの宮廷楽長であった父から音楽を習い、驚くべきことに5歳から作曲を始めた。あらゆるジャンルで傑作を残した天才であり、平明な美しさと感情表現の豊かさを兼ね備えた作品は世界中の人々に愛されている。飾らない自然な美しさを表現したいがその難しさにいつも悩んでいる。1775年に完成した協奏曲第5番は、終楽章に当時流行りのトルコ風音楽を取り入れている。19歳の青年モーツァルトの瑞々しい自然な感性を表現したい。
○チャイコフスキー ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)は、ロシア・ロマノフ王朝を生きた19世紀の偉大な音楽家である。幼い頃より優れた音楽的才能をみせていたが、両親の意向で法律家の道に進む。しかし23歳のときに法務省の職を辞して作曲家ヘ、その後モスクワ音楽院を拠点として音楽活動に邁進していく。優雅な旋律と三拍子のリズムが当時の宮廷での舞踏会を想像させる。ロマンティックな旋律を歌いつつ、自分自身も踊っているような感覚で演奏してみたい。
○クライスラー 愛の悲しみ イ短調
フリッツ・クライスラー(1875-1962)はウイーンに生まれたヴァイオリニストで作曲家である。12歳以降はどの先生にも師事せず、薬学医学を学び兵役を終えた21歳から、再び音楽の道に進んだ。クライスラーは当時最高のヴァイオリニストと称されたが、奥さんがとても厳しく彼を監視したお陰で音楽家として成功したという話もある。彼のこうした人生経験や環境が、唯一無二の温かい音を作り出したのだろうか。愛の三部作は演奏会でも多く聴かれるが、この曲の魅力を再発見できるような演奏になればと思う。
○R.シューマン 幻想曲 ハ長調 Op.131
ロベルト・シューマン(1810-1856)はドイツの作曲家であり、ピアノ曲と歌曲で特に個性的な作品を残した。妻のクララ・シューマンに支えられ、音楽院教授にもなるなど活躍したが、最後はライン川に突発的に飛び込み、精神病院でこの世を去った。悲劇的な最期を遂げたが、作風は叙情的であり、文学青年だったシューマンの独特な世界がある。ヴァイオリンの幻想曲はあまり聴かれないが、初めてこの曲を弾いてみて、シューマンの新たな一面を知ることができた。シューマンの魅力を感じていただけるような演奏がしたい。
ピアノ/吉武優
《三河慶史郎》
1996年福岡県生まれ。5歳よりピアノを、10歳よりチェロを始める。都立総合芸術高等学校を経て2018年東京藝術大学を卒業。
これまでにチェロを丸山泰雄、海野幹雄、西谷牧人の各氏に師事。2019年よりプラハに留学し、Tomáš Jamník, Michal Kaňka に師事。
プラハ芸術アカデミー修士課程修了。
2018年Petrof Fest 国際コンクール第3位。
2020年国際音楽祭ヤングプラハオープニングコンサート他に出演。
2022年2月よりプラハ2区ヴィノフラディー地区で、ご近所コンサートを毎月定期的に開催し好評を得ている。
2022-2023シーズン PKFプラハフィルハーモニア アカデミー生。2023年10月よりブルノ国立劇場オーケストラ団員及びチェコ学生オーケストラのメンバー。
◆曲目
ポッパー 2本のチェロのための組曲
ダヴィッド・ポッパー(David Popper, 1843-1913)は、チェコで生まれました。19世紀後半のロマン派を代表するチェリストであり、数多くのチェロのための名曲を作曲しました。特にチェリストにとっては、ポッパーの書いた練習曲は、必ず通る道で、有名です。
本日演奏する 『2本のチェロのための組曲』 作品16は1866年に書かれたものです。
この組曲は、2本のチェロが織りなす精緻な対話と、楽器の持つ豊かな表現力が存分に引き出された傑作です。ポッパーの深い楽器理解に基づいた、美しい旋律と高度な技巧が共存しており、2人で演奏しているのにまるで4人で演奏しているような音の重なりが連続します。2本のチェロが生み出す豊かなハーモニーと表現の多様性は、まさにこの作品の最大の魅力と言えるでしょう。
曲は、以下5つの楽章で構成されています。
* Andante grazioso
* Gavotte
* Scherzo
* Largo espressivo
* Marcia
今回は自分の師匠である海野先生と、繰り返しの度にパートを入れ替えて演奏します。いつか先生と演奏したい曲の一つだったのでとても嬉しいです。
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品95
この曲はウィーンで作曲されました。
1810年という作曲時期は、ベートーヴェンがウィーンで大作曲家としての地位を確立し、活発に創作活動を行っていた時期にあたります。この作品は、彼がウィーンに定住し、多くの傑作を生み出した時期の集大成の一つと言えるでしょう。
この作品の大きな特徴は、その濃密さと凝縮された表現にあります。演奏時間は約20分とベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では比較的短いですが、その中には並々ならぬ内的な緊張感と劇的な感情の起伏が込められています。ベートーヴェンは、この作品を「専門家による小さなサークルのために書いた」と記しており、大衆向けではなく、より深い音楽的探求を目的としていたことがうかがえます。
《セリオーソ》という副題は、ベートーヴェン自身がこの作品に与えたもので、イタリア語で「厳粛な」「真剣な」を意味します。この作品は、ベートーヴェンの中期に作曲された最後の弦楽四重奏曲であり、その後の後期様式への移行を示す重要な位置を占めています。
* 第1楽章:Allegro con brio
* 第2楽章:Allegretto ma non troppo
* 第3楽章:Allegro assai vivace ma serioso
* 第4楽章:Larghetto espressivo - Allegro agitato - Allegro
今回共演していただく3人は大学時代4年間カルテットを演奏していた同期です。コロナ禍に、それぞれ録画をしてビデオを編集したことはありましたが、4人全員が集まって演奏するのは約8年ぶりです。この間にそれぞれ違うオーケストラに就職をしたり、色々な環境の変化があった中で、こうしてまた一緒に演奏できることを幸せに思います。
1vn 安達優希
2vn 堀内星良
va 井上祐吾
vc 三河慶史郎
お問い合わせ先
メールアドレス:hamajack@msn.com
その他のお問い合わせ先:特定非営利活動法人ハマのJACK hamajack@msn.com
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