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プログラム
9/1 第九回竜成の会 公演開催につきまして
この度の台風10号の影響により、様々なイベントや公演が中止となっております。竜成の会も状況を見て公演の実施または中止を判断致しますが、台風の予想が刻一刻と変化しておりますので、まだ判断しかねる状況です。
台風10号が温帯低気圧に変化する可能性もあり、昨日よりも実施できる可能性が高まりました。そこで、判断の基準としましては公演当日の9月1日の午前10時の時点で、京都市内に暴風警報が発令させている状態であれば公演を中止にしようと考えております。
ただし、皆様の安全の確保が最優先です。遠方からのお客様や、ご高齢のお客様におかれましてはくれぐれもご無理のない様にお願い申し上げます。
また、中止となりました場合にはチケットの払い戻しを致します。詳しくは事後に進めて参ります。何卒宜しくお願い申し上げます。
竜成の会代表 宇髙竜成
対談 三井寺長吏 福家俊彦 × 宇髙竜成
仕舞 「三笑」
シテ 宇髙徳成
ツレ 惣明貞助
ツレ 向井弘記
地謡 宇髙竜成 重本昌也 山田伊純 湯川稜
狂言 「月見座頭」
シテ 茂山忠三郎
アド 山口耕道
後見 小斉平真路
(休憩30分)
能 「三井寺」
シテ 宇髙竜成
子方 窪田莉里亜
ワキ 有松遼一
ワキツレ 原陸
間狂言 茂山忠三郎 山本善之
笛 森田保美
小鼓 林大和
大鼓 谷口正壽
後見 金剛永謹 廣田幸稔 豊嶋幸洋
地謡 今井清隆 種田道一 金剛龍謹 廣田泰能 今井克紀 豊嶋晃嗣 宇髙徳成 山田伊純
<終了予定 午後5時>
出演者
◯能楽師シテ方 金剛流
金剛永謹 金剛龍謹 今井清隆 種田道一 廣田幸稔 廣田泰能 豊嶋幸洋 今井克紀 豊嶋晃嗣 重本昌也 宇髙竜成 宇髙徳成 山田伊純 惣明貞助 向井弘記 湯川稜 中村洋臣 窪田莉里亜
◯能楽師ワキ方 高安流
有松遼一 原陸
◯能楽師狂言方 大蔵流
茂山忠三郎 山口耕道 山本善之 小斉平真路
◯能楽師笛方 森田流
森田保美
◯能楽師小鼓方 幸流
林大和
◯能楽師大鼓方 石井流
谷口正壽
-スタッフ-
能面=宇髙景子
宣伝美術=田中嘉代(かよくらふと)
WEBサイト制作=高瀬フヒト
制作=清水翼(KANKARA Inc.)
協力=関蝉丸神社
主催=竜成の会
みどころ
ご挨拶
昨年の第八回竜成の会では谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』に見る光と影の世界観を蝋燭能で表現する事に挑戦いたしました。その折には多くの方にお力添えを賜り、能「皇帝」を無事に勤める事ができました。ここに改めまして心より御礼を申し上げます。
さて本年は関蝉丸神社とも関わりの深い能「三井寺」を勤めさせて頂きます。現在の総本山園城寺三井寺の長吏・福家俊彦猊下は関蝉丸神社の社殿修復に長年お力を注がれたお方で、この度光栄な事に竜成の会にお越し頂き、三井寺についてのお話を頂ける事となりました。
また今回は仲秋の名月に合わせて、月下の物語を選曲しました。四世紀の中国・盧山の伝説「三笑」八月十五夜に繰り広げられる狂言の名曲「月見座頭」そして「三井寺」です。仲秋の名月の半月ほど前ではありますが、移り変わる季節の中の一期一会のひとときをお楽しみ頂けましたら幸いに存じます。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
あらすじ・解説
仕舞「三笑」
この曲は中国の故事〈虎渓三笑〉の世界をそのまま能にした演目です。時代は四世紀の東晋の時代、中国仏教の礎を築いた慧遠(えおん)、帰去来辞で有名な詩人・陶淵明(とうえんめい)、道士(道教の宗教者)・陸修静(りくしゅせい)の三人が登場します。
場所は中国江西省にある秘境・廬山。慧遠(シテ)は山中に東林寺という寺を建て、虎渓という渓流を境界線として、そこより下山しない誓いを立て、隠遁修行の日々を送ります。ある日、慧遠を訪ねて陶淵明(ツレ)、陸修静(ツレ)の二人がやってきます。三人は巌に腰をかけ、瀑布の絶景を眺めながら大いに語り、詩を作り、酒を呑み交わします。
やがて楽しい宴も終わり、慧遠は虎渓まで二人を見送りに行きます。しかし、酒を飲み過ぎたのか慧遠の足元はふらつき、よろめいたのでとっさに陶淵明・陸修静の二人は左右から慧遠を支えます。仲良く三人は話に夢中になりながら歩き続けると、禁足の虎渓を遥かに過ぎて山を下ってしまいました。やがてそれに気がついた陶淵明が「長年の禁足の誓いを破られるのですか?」と言うと、ようやく慧遠も気がつき、思わず三人で手を叩き笑ってしまいます。
『笑い』は狂言ではよくありますが、能ではとても珍しい感情表現です。一体どの様な表現をするのか、どうぞお楽しみに。
狂言「月見座頭」
この演目は狂言の中でも特別な雰囲気のあるもので、滑稽さや喜劇性よりも、もっと深い人間性を描いた曲です。シンプルな内容ですが、見た後で色々考えてしまう名曲です。
場所は京都、下京に住む座頭(盲人)が『今夜は八月十五夜だけれども自分は月を見る事ができないから、かわりに虫の音を聞きに行こう』と野辺に出かけます。野辺では色々な秋の虫がそれぞれの音を奏で、座頭の心を楽しませます。そこに月見の為に野辺に来た上京の男が現れ、やがて二人は意気投合し、酒宴を始めます。月の下で歌を歌い、舞を舞い、楽しい時を過ごした二人は、互いに名残を惜しみながらも気持ちよく別れます。
帰り道、男の心の中に一体何が生まれたのか、なんと上京の男は立ち戻って、先ほどの座頭を嘲り、引き倒して満足気に帰っていきます。野辺に一人取り残された座頭は、それがさっきの男だと気がつかず『先ほどの人と違い、世の中には情けない人もいるものだなぁ』と嘆きます。
舞台芸術というのは、そこに何か一つの答えが用意されているものではありません。しかし芸術体験から色々思いを巡らす事が、心の豊かさへと繋がるのではないでしょうか。そんな体験を是非お楽しみください。
能「三井寺」
この能は仲秋の名月の下、近江国(今の滋賀県)三井寺で親子が再会するという物語です。親子再会の演目の中でも、秋の静けさが漂う名曲です。
駿河国(今の静岡県)に住む千満(せんみつ)の母は、我が子を人商人に拐われてしまいます。母が行方不明の子の足取りを訪ねて遥々都まで上り、清水寺に篭って我が子の再会を一心に祈ると『我が子に逢いたければ三井寺に参れ』と不思議な夢を見ます。千満の母が宿を借りている清水門前の男は、実は夢を占う人で、その夢の告げの内容を聞くと、今すぐ三井寺に向かう事を勧めます。母は我が子に逢える喜びを胸に三井寺へと向かいますが、既に心が乱れていました。
折しも頃は八月十五夜、三井寺では住僧達が幼い弟子を伴って月見をします。そこに我が子に逢わんと狂女となった千満の母が現れます。名月の景色に興じて狂女は鐘楼の鐘を撞こうとしますが、住僧がこれを咎めます。狂女はその昔、月景色の下で鐘を撞いた異国の詩人の故事を引いて鐘を撞きます。やがてその姿を見た幼子は、実は狂女が自らの母であると僧に告げ、ついに母と千満は再会を果たします。親子は三井寺の鐘の縁で再会した事を喜び、やがて故郷へと帰ります。
◯竜成の会について
竜成の会とは金剛流能楽師・宇髙竜成(うだかたつしげ)による能の公演会で、2015年から年に一回のペースで能の公演を開催している。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、今回から関蝉丸神社勧進能として五カ年計画で公演を予定している。関蝉丸神社は平安時代の琵琶法師・歌人として知られる蝉丸(せみまる)を音曲の神様として祀る神社で、昔は芸能者に免状を発行し、その免状で全国の関所を通る事ができたと伝えられる、芸能の神様でもある。近年、老築化している社殿の修復に向けて、2017年に「関蝉丸神社芸能祭」が立ち上がり、宇髙竜成も、初回から毎年この芸能祭に参加している。一昨年に関蝉丸神社芸能大使の特命を受け、能楽師として関蝉丸神社に協力するため「関蝉丸神社勧進能」を竜成の会を開催する運びとなった。勧進能とはチャリティー公演の事で、今回はチケット売り上げの一部を神社に寄進することで、観客が能を通じて蝉丸や蝉丸神社と出会い、神社と観客、人と歴史やその土地を繋げる試みにより、伝統芸能としての能の可能性を広げていきたいと考えている。伝統芸能が単なるエンターテイメントとしてだけではなく、社会を彩り豊かにし、ひいては、能楽、そして舞台芸術全体の発展に寄与することを目指している。
お問い合わせ先
その他のお問い合わせ先:メール: info@tatsushigenokai.com
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