プログラム
【聴くメンタリーとは】
音楽好きの間では、針を落として聴く塩化ビニールの円盤レコードが今でもますます人気です。その、いわゆるアナログが市場の中心だった時代には、音楽ではないジャンルの盤もよく作られていました。東京五輪や長嶋茂雄引退、王の756号などのスポーツ実況、政治家や文化人の演説、三島由紀夫の自決やあさま山荘事件など昭和の世を揺るがせた事件の中継、あるいは蒸気機関車、レーシングカーの走行音……こういったものが次々と市販化されていたのです。ビデオやDVDに先駆けたメディアだったと言えるでしょう。そんな、主に1960~70年代に制作されていたレコードを、映像のないドキュメンタリーと捉え直してみようという取り組みが〈聴くメンタリー〉です。
出演者
ワカキコースケ(若木康輔)、大澤一生(nondelaico)・小林和貴
みどころ
【ごあいさつ: 聴くメンタリー主宰 ワカキコースケ】
ポレポレ坐での聴くメンタリー、今年もやらせていただきます。
毎回、周知と動員には苦労していまして、どうしたもんかと考えてしまう連続なんですが。いよいよ矢折れ刀尽きたな、という実感が身に染みた年末年始になって、急に気付いてしまいました。― 中古店の「その他」の棚から掘り出してきたレコードから、復刻のニーズもない、特にDJにも使えないものばかり選んで聴かせようって酔狂な趣向に、たくさんのお客さんを期待するほうがどうかしてたんだよ。
これは、売れない物書きをしている僕自身の話でもあります。自分も聴くメンタリーも、現実にはどが付くほどマイナーなカテゴリーに入る。なぜかそれがもう一つ自覚しきれず、売れないなあ、おっかしいなあ、と首を傾げ続けてきました。「何かというとベストテンをせっせと選びたがるあなたと、クラスの女子の顔ランキングをつくりたがる男子中学生の品性の違いが分からない」と真顔で言う映画ライターがさ、映画ファンに好かれるわけないじゃんね。認知のゆがみというやつでしょうか。
しかし、自分も聴くメンタリーもどマイナー、といったん諦めて認識してしまうと、これがけっこうラク。もともと「若木さんの言うことやることは分かる人にも分かりにくい」と言われてきたんですから、その割にはごひいきが数人ずつ微増している!のはむしろありがたいことです。
あくまで、今では物珍しい音をいろいろ聴いてのんびり面白がっていただく、それだけの会です。いちげんさんでも何の予備知識も必要ありませんので、気楽においでくださいませ。
世に類例のないアンダーグラウンド・イベントだけど敷居は低い、たまに子連れの方さえいらっしゃる、という意味では、マイナーのなかでもマイナーを極めております。そんなポジションが全うすべき自分の責務なのだな……!と、煉獄杏寿郎さんという方に最近教わりました。
販売期間
2023/1/9(月) 00:00 〜
2023/2/12(日) 19:00
お問い合わせ先
za@pole2.co.jp
主催者団体情報

Space&Cafeポレポレ坐
東京都中野区東中野にあるSpace&Cafeポレポレ坐です。 配信イベントを定期的に開催します。
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