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プログラム
沖縄久高島の成巫儀礼イザイホー。
50年以上にわたり、数々の映像作家が情熱を注ぎカメラを回した。
それらの作品群を、はじめて一望のもと上映する。
制作関係者の証言を聞き、記録映画の制作、公開、そして継承について考える。
「イザイホーと映像の時代」第4回は、イザイホーが行われるはずだった午年の1990年に撮影された、故・姫田忠義監督による『イザイホー1990年 久高島の女たち』を取り上げる。神人の高齢化や不在により、年間30あまり行われるはずの島の神事の執行もおぼつかないなか、とうとう島はイザイホーの中止を決定する。沖縄県教育庁の企画によりイザイホーを記録するはずだった姫田監督らは、そこで何を撮ろうとしたのか。戦後、次々と姿を消していく日本各地の民俗文化を、同時代的に見つめてきた記録者として、どのようにこの事態に立ち会ったのか。当時のカメラマン澤幡正範さん(リモート登壇)、民族文化映像研究所の現代表・小原信之さんに話を伺う。
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『イザイホー1990年ー久高島の女たち』
(1990年/30分/姫田忠義監督)祭りを司る久高ヌル(ノロ)は3年前に亡くなり、外間ヌルも高齢に加えて病気で入院したため、1990年はついにイザイホーは行われなかった。この記録は、中止となったイザイホー期間中の女性たちの想いと行動を軸に、前回1978年の写真と音声を活用して、イザイホーがどんなものなのかを明らかにしようとした。
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【姫田忠義監督プロフィール】
1928年兵庫県神戸市生まれ。1954年上京しテレビのシナリオライターのかたわら民俗学者宮本常一に師事。1961年から映像による民族文化の記録作業を始める。1976年民族文化映像研究所設立。代表作は『越後奥三面第一部・第二部(84・96)』、『イヨマンテ-熊おくり-(77)』、『椿山-焼畑に生きる-(77)』など。著作多数、1989年、フランス芸術文化勲章オフィシェ叙勲。2013年7月84歳で死去。
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※このページは配信チケットのみ販売しています。
会場参加のチケットご希望の方はこちらをご覧下さい。
http://pole2za.com/event/2021-10-24.html
出演者
小原信之(おはら・のぶゆき)
一般社団法人民族文化映像研究所代表、カメラマン
1960年東京生まれ。民映研の代表作『越後奥三面 山に生かされた日々』(1984)の編集を担当。以来カメラマンとして民映研の映像制作に参画。2013年より代表を務める。
澤幡正範(さわはた・まさのり)
カメラマン
1947年東京生まれ。1971年より民映研の撮影に参加。1976年の民映研設立に参画。主な代表作に『椿山 焼畑に生きる』(1977)、『シシリムカのほとりで アイヌ文化伝承の記録』(1990)など。2007年には『ひめゆり』(製作/プロダクションエイシア)の撮影も担当した。
みどころ
十二年にいちどの午年(うまどし)に行われる沖縄・久高島のイザイホー。島の女たちが神女となるための成巫式だ。神女となった女性は男の守り神となる。女性が宗教的な役目を担い、男性が政治経済的な役割を担うという伝統に、多くの民俗学者や歴史学者が注目し、琉球文化において、ひいては日本文化においても重要視されてきた。
1978年を最後に中断したイザイホーの姿を、21世紀に生きる者がありありと見ることができるのは、主に1966年と1978年のイザイホーを活写した映像を通してだ。
映像作家たちは、イザイホーに、久高に、何を見たのか。あの時代、なぜ、あれだけの情熱が傾けられたのか。フィルムに何が映されたのか。映像をどのように将来に遺し伝えていくのか。作家・関係者の証言を聞き「イザイホーと映像の時代」を考える。
久高島を舞台にした野村岳也、北村皆雄、岡田一男、姫田忠義、大重潤一郎らの映像作品を一望するはじめての試み。
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■今後の開催予定(全6回)
第5回11月
上映作品:『原郷ニライカナイへ−比嘉康雄の魂』(2000年/60分/大重潤一郎監督)
ゲスト:須藤義人(沖縄大学准教授)
第6回12月
上映作品:『岡本太郎の沖縄より 再編集バージョン』(2018年/2021年再編集/葛山喜久監督)
ゲスト:葛山喜久監督
【主催】 (株)ヴィジュアルフォークロア、エトノスシネマ
【共催】 (株)ポレポレ東中野
【協力】文化財映像研究会・(株)東京シネマ新社、(株)海燕社、民族文化映像研究所、シンプルモンク
【後援】(一社)日本映像民俗学の会、(公社)全日本郷土芸能協会、ねりま沖縄映画祭
【助成】公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
お問い合わせ先
その他のお問い合わせ先:za@pole2.co.jp (ポレポレ坐)