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プログラム
【第17回 横浜山手芸術祭 参加】
タンゴの名曲より
~古典からピアソラまで~
♫ La Cumparsita(1917)
♫ Palomita Blanca(1929)
♫ El Huracán(1932)
♫ La Puñalada(1936) ほか予定
黒船来航~開港後、外国船が行き交い、舶来文化が花開いた港町・横浜。
パリの社交界にタンゴ旋風が吹き荒れ、名優ヴァレンチノの踊るタンゴが銀幕に輝いた時代、横浜ゆかりの作家たちもまた、活動写真や蓄音器、カフェーやダンスホール、はたまたチャブ屋などで、異国ロマン溢れるタンゴに酔い痴れていました。
芥川龍之介はヴァレンチノの遺作を横浜で鑑賞し、谷崎潤一郎は山手の西洋館を舞台にタンゴを描き出し、中島敦はキャバレーの窓から漏れるタンゴに耳をすます――タンゴの生演奏から、そんな在りし日の横浜の情景に想いを馳せてはいかがでしょうか......
山手の丘には、エリスマン邸をはじめ、外国人が暮らした西洋館が保存されています。演奏の前後に、洋館見学もあわせてお楽しみいただけます。
出演者
およそ100年の時を刻むバンドネオンの銘器をはじめ、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、ピアノなど彩り溢れる約10名編成のアンサンブルでお贈りします。
みどころ
横浜に遊び、横浜を愛した文豪文士たち――
谷崎潤一郎は、大正10年(1921)から関東大震災(1923)まで横浜の本牧と山手に暮らし、ダンスや中華・洋食の美食に耽りました。
中島敦は、昭和8年(1933)に横浜高等女学校の教員となり、昭和16年(1941)に南洋庁職員としてパラオに赴任するまで8年間を横浜で過ごしました。山手一帯はお気に入りの散歩道で、短歌にも詠まれています。
そうした横浜ゆかりの作家たちの小説や詩歌には、日本に上陸して一世を風靡したタンゴが登場します。
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~文学とタンゴの出会い(横浜篇)~
【芥川龍之介】小穴隆一『芥川龍之介の囘想』
大正十五年の冬(中略)横濱に行つてオデオン座であつたらう、ヴァレンチノの「熱砂の舞」を見た。芥川は「かうやつて死んだ者がまだ動いてゐるのをみてると妙な氣がするねえ」
【谷崎潤一郎】『友田と松永の話』
横濱の二十七番館(中略)「君は我が輩のタンゴを見たか?」(中略)男は女のかぼそい胴を、背中へ手をかけてしつかりと抱く(中略)二人はちやうど縫ひ合された衣のやう
【中島敦】『踊り子の歌』
亞爾然丁(あるぜんちん)のタンゴなるらしキャヷレエの窓より洩るるこの小夜更(さよふ)けに
【夢野久作】『少女地獄』
私はダンスは新米ではあるが自信は相当ある。ジャズ、タンゴ、(中略)何でも御座れの横浜仕込みだ
【渡辺温】『ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった』
横浜へ遊びに出かけ(中略)エトワールと云うホテルに入った。(中略)『サーシャ、タンゴ――』と、その女は直ぐに男の体に絡みついた。
【大佛次郎】
※「大佛次郎記念館所蔵資料目録SPレコード」に、タンゴ関連楽曲が複数確認できます。
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ほか、公式X(旧Twitter)で「#文豪とタンゴ」渉猟中(https://x.com/uot_tokyo)