電子チケットサービス「teket(テケト)」を開発する株式会社teketは、「世界中の夢中をつくる」をミッションに掲げています。クラシックから演劇、スポーツまで、ジャンルを問わずイベントの主催者と参加者をつなぐサービスです。
teketはいま、開発の中核を担うエンジニアを募集しています。その開発を支えるのが、CTOの天羽さんと、沖縄からフルリモートで働くPMの堀行さん。前職も、住む場所も、入社の経緯もばらばらな2人が、どんな課題に向き合い、何を面白いと感じているのか。開発の現場を聞きました。
人物紹介
CTO・天羽晃太
新卒でNTT東日本に入社し、国産クラウドのネットワーク/インフラ開発に従事。2024年にteketへ入社。現在はCTOとして、ユーザーニーズの探索から技術戦略、人材戦略までを担う。直近は採用活動に注力している。
PM・堀行光昭
鹿児島県出身、沖縄在住。高校卒業後に上京しIT業界へ。8年前に沖縄へ移住し受託開発を4年経験。その後スタートアップを経て、2024年にteketへ入社(天羽さんと2か月違い)。現在はPMとして仕様策定・調査・実装ディレクションを担う。
ばらばらの経歴から、teketへ
――まずは、簡単な自己紹介と、今のお仕事を教えてください。
堀行:私は沖縄からフルリモートで働いています。前職のスタートアップに入って一年足らずで廃業することになり、転職活動をするなかで出会ったのがteketでした。入ってからはシーズンシートメンバーシップ機能の新規開発を、要件定義からリリースまで担当しました。今はPMとして、仕様を決めたり、調査をしたり、エンジニアに実装を依頼したりという上流を見ています。天羽さんの2か月後の入社で、最初は分からないことばかりだったので、よく相談をしていました。
引いて見るCTO、深く掘るPM
――お2人は、見ている範囲がちょうど逆だそうですね。
天羽:そうですね。私は会社全体を引いて見て、どの開発を優先するかを決める役回りです。堀行さんは逆に、一つの実装をどこまでも深く掘っていく。役割がちょうど対になっていると思います。
堀行:私は全体を見るのが少し苦手なので、そこは天羽さんに任せています。だからこそ、目の前の実装に集中できています。天羽さんは営業やマーケ、サポートとのあいだを調整して、開発側がしてほしいことも汲み取ってくれます。自分にはできない部分なので、頼りにしています。
天羽:僕も堀行さんを、とにかく頼りにしています。私よりエンジニアとしての経験が長くて、技術的な細かいところはよく相談させてもらっています。いろいろなボールを抱えているのに、どれを投げても打ち返してくれる。フロントからの小さな依頼も、営業からの質問も、あちこちから飛んでくるなかで、全部すばやく返している。しかも、正論で返すというより、「やってみたら」と提案で返してくれるんですよね。お客さまとのヒアリングの場でも、過去に作った機能を「これを使ってみたらどうですか」と提案してくれています。自分の業務はここまでという線を引かずに、何でもやってくれるので、どうなっているんだろう、と不思議に思うくらいです。
エンタメだからこその、バックエンドの難しさ
――技術的に難しい、あるいは面白いと感じるのはどんなところですか。
堀行:チケットを売るサービスなので、在庫管理が大事になります。特にチケットの販売開始は、アクセスが一気に集中するんです。その高負荷をさばきながら、同じ席を二重に売らない「ダブルブッキング」をどう防ぐか。ここは排他制御やトランザクション設計を強く意識するところですね。それと、teketは利用者が300万人を超えていて、扱う情報が膨大です。本番環境でその影響が出ないように、データベースの設計や持ち方、プログラムの書き方まで考える必要があります。
あとは運用フェーズですね。リリースした後に「動きがおかしい」という問い合わせが来ることもあるので、原因を素早く突き止められるログや通知の仕組みを、開発の段階から考えておく。作るときの難しさと、運用してからの調査しやすさの両方を意識しています。
天羽:私が面白いと思うのは、扱っているドメインがとても複雑なところです。チケットといっても、自由席もあれば指定席もある。日程を連続させると通し券になり、座席を固定するとシーズンシートになる。会員も、年単位で自動更新されるファンクラブのような形もあれば、座席を1年保有する形もある。クラシック、J-POP、演劇、それから建築物のツアーまで、ジャンルによって会員の中身がまったく違うんです。
この入り組んだルールを、誰もが直感的に使えるサービスに落とし込まないといけません。たとえば会計のソフトが、ややこしい仕訳を分かりやすい管理画面にしているように、複雑なものを抽象化して、すっきりさせる。そこにチャレンジしがいがあります。業界的にはこれが難しいのですが、teketは使いやすさを保ってきていると考えています。ここは維持して、もっと伸ばしていきたいですね。
天羽:たとえばホテル業界には、複数の販売サイトの在庫を束ねるサイトコントローラーのような層があります。チケット業界には、業界全体でそういう仕組みがありません。指定席の在庫管理や並行販売の同期は、その分こちらで設計することが多くて、難しさでもあり、やりがいでもあります。会員管理、座席の振替、権限まで含めて全体で考えるので、やるべきことは尽きないです。
――「複雑なものを抽象化する」を、具体的な機能で言うと。
天羽:シーズンシートの「串刺し」と「共通在庫」でしょうか。
たとえばクラシックには、年間10回の定期演奏会をまとめて購入する「定期会員」という仕組みがあります。まとめて買うと割引になるだけでなく、10回とも同じ座席で観られる。これがシーズンシートの特典です。teketでは、1階A列1番の席を一度指定するだけで、10公演すべてで1階A列1番が一括で指定されて購入できます。社内ではこれをいささか物騒な言葉ではありますが「串刺し」と呼んでいます。定期会員という仕組みそのものをまず理解して、それをシステムに落とし込んでいく。このプロセスが面白いところです。
さらに、10公演をまとめて座席指定する定期会員券と並行して、1回1回の公演も単発で販売されます。この単発の販売と、10回まとめた販売のあいだで、座席の在庫を共通化しないといけません。これも社内では「共通在庫」という言葉で共通認識になっています。システムに落とすときに考えることは多いのですが、そのぶん設計しがいがあります。
――開発の前提として、ユーザー理解を大事にされていると聞きました。
天羽:この業界は、お客さまの使い方が自己流・亜流になりやすいんです。teketもまだ成長の途中で、すべての機能がそろっているわけではありません。だからこそ、今ある機能を組み合わせて工夫して運用している主催者もいます。たとえばパスポートの機能がないので、クーポンコードをいろいろなイベントに登録してパスポートのように使う、といった形ですね。
正しい設計を突き詰めたいのがエンジニアですが、現場で実際に使われている運用とは、どうしてもズレが出る。そのズレにどう落としどころをつけるか。また、主催者と購入者、両方のお客さまがいるので、片方だけを見すぎてもいけません。両方を理解しないといけないのが、この仕事の奥深さだと思います。
――どんなときに達成感を感じますか。
堀行:機能を開発してリリースできたときは、まず達成感がありますね。沖縄にいると、自分の手がけたものが実際に動く現場を見る機会は多くないんですが、teketを使ってくれている地元のハンドボールチームの試合は観に行っています。
自分が開発に関わっているサービスを使うのは、少し照れくさいですね。ただ、スマホを取り出してQRコードを「ピッ」とかざすだけで入場できるのは、やっぱり楽だなと思いました。会場で自然に使われている様子を見られたのは印象的でしたし、teketが少しずつ広まっていることを実感できました。
試合も最初から最後まで観させてもらいましたが、選手が走って、跳んで、投げて、空中からジャンプシュートを決める。本当に迫力がすごくて、「ハンドボールってこんなに面白いんだ!」と、夢中になって応援していました。
あとは、SNSで「この機能が使いやすかった」という声を見かけたときです。teketはお客さまの声を拾いやすい環境なので、自分でも検索して見たりしています。サポートや営業から上がってくる声だけでなく、ユーザー理解の定例で出た話を思い出して、開発に組み込めたときも嬉しいです。
――堀行さんは沖縄からフルリモートでPMをされています。実際どうですか。
堀行:地方にいながら、東京と同じ仕事ができるのは大きいです。沖縄はニアショア開発が多くて、東京から切り出された開発を請ける、という関わり方が中心なんですね。言われたものを作る形になりがちです。でもteketだと、サービスそのものに関われる。東京のお客さまと直接オンラインで話して、要件を詰めていく。間接的ではなく、自分が主担当として動けるのがメリットです。
それに、子どもを自然のある場所で育てたいという思いもあって。私自身、与論島で育ったので、子育ての環境としても沖縄はいいなと思っています。通勤の渋滞もなくなったので、その分の時間を家族に使えるようになりました。
あとは単純に、自分の好きな机と椅子、好きなキーボードで仕事ができるのも大きいですね。出社して8時間過ごすのと、リモートで8時間集中するのとでは、疲労度が全然違うんです。
天羽:エンジニアの仕事って、難しいことをまとまった時間で集中して考えたい場面が多いんですよね。打ち合わせに邪魔されずに数時間とれるかどうかで、進み方が変わる。リモートはそこと相性がいいんだと思います。
「世界中の夢中をつくる」を、裏側から支える
――お2人とも、もともと「裏方」に縁があったそうですね。
天羽:私は学生のころ演劇をやっていて、脚本や照明もやっていました。teketは、イベント業界でいう照明や音響のような裏方のポジションに近いと思うんです。演者やお客さまが熱狂している、その裏で、冷静に緻密にロジックを組んで支える。裏方冥利に尽きる、というか。そういう立ち位置がいいなと思っています。
――「世界中の夢中をつくる」というミッションを意識することはありますか。
堀行:普段はシステムを作っていますが、その先には必ず、イベントを楽しむお客さまがいる。主催者が全力でイベントを開けて、参加するお客さまが夢中になれる。その空間を裏方として支える仕組みづくりは、いつも意識しています。
天羽:自分たちが主役としてステージに上がって夢中を作るわけではないんですが、間接的に、何万というイベントが開かれて、そこで夢中が生まれている。それを支えられているのが、一番うれしいところです。普段はシステムと向き合っていても、その先には必ず、夢中になっている人がいる。そこを見失わないようにしたいと思っています。
――これから一緒に働くエンジニアと、何を作っていきたいですか。
天羽:「世界中の夢中をつくる」を実現するために、エンタメをもっと盛り上げていく土台を一緒に作りたいです。やりたいことは二つあって、一つは「誰もがイベントを主催できる世の中」にしていくこと。もう一つは「イベントとの出会い方を変えていく」ことです。teketには、まだ知られていない面白いイベントがたくさんあります。ユーザーがそういうイベントともっと自然に出会える、出会いの形そのものを変えるプラットフォームにしていきたいと思っています。
同時に、主催者側にも価値を届けたいですね。イベントの企画段階からteketに蓄積されたユーザーデータを活用して、売上につながるコンセプト設計や集客のシミュレーションができる。さらに、リピーターを獲得するためのコミュニケーション設計まで支援できる。そこまで持っていきたいと思っています。
堀行:teketには「世界中の夢中をつくる」というミッションがあります。「主催者にとっての夢中って何だろう」「参加者にとっての夢中って何だろう」「自分にとっての夢中って何だろう」。立場が変われば、夢中の形も変わります。
主催者には、イベントを成功させる喜びがある。参加者には、心から楽しめる体験がある。そして自分にとっての夢中は、そうした人たちの体験を技術で支えて、より良いサービスをつくり続けることなんだと思います。
一つひとつの機能や改善でも、「本当にユーザーの役に立つのか」「もっと良い体験にできないか」という視点を大切にしています。その積み重ねが、主催者や参加者の夢中につながっていくと信じています。
――歩んできた道も拠点も違う2人ですが、噛み合っている理由は何だと思いますか。
堀行:そうですね。立場も、見ている範囲も違うんですが、「使う人にとってどうか」で話すと、不思議とズレない。そこは入る前からではなく、teketで一緒に仕事をするうちに揃ってきた感覚かもしれません。
――ありがとうございます。これからのteketの開発に期待です!
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